註3──マルクス主義とは直接の関係はない。新聞購読料を低廉(ていれん)にするために、各新聞が競って安価販売合戦を繰り返した結果、だんだん紙質が悪くなり紙面の地色(ぢいろ)が赤かったのが名前の由来。日本の探偵小説の開祖のひとりである黒岩涙香(るいこう)(※)が社主であった萬朝報(まんちょうほう)(ヨロズ重宝のシャレ)などが代表的。通称「マンチョー」の主筆は涙香であったが、涙香の他に多くの論説を執筆したのは幸徳秋水である。
※明治を代表するジャーナリスト。本名は周六。「まむしの周六」と呼ばれるほど、その筆鋒は鋭く、政財界から恐れられた。『噫無情(ああむじょう)』『巌窟王』を代表作として、『死美人』『白髪鬼』『幽霊塔』などの翻案探偵小説、SF小説の魁(さきがけ)である『暗黒星』などの他、『天人論』『小野小町論』など著作多数。都々逸(どどいつ)や連珠(れんじゅ)(五目ならべ)の大衆普及にも貢献した。音二郎の選挙落選を「河原者のぶんざいで‥‥」と涙香がクサしたため、逆上した音二郎がピストルで涙香を暗殺しようとつけ狙った事件もあったが、伊藤博文の金庫番の金子堅太郎男爵(音二郎・貞奴の仲人)の説諭で事なきを得ている。
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